-これは幽助らの力によって制圧され、自ら最も過酷な地獄へと旅立った男の続きである。-
(現時点200%)
数億年の時を経て、地獄から生還した彼は未だに更なる強さを求めた。
そして極限を超え鍛え上げられた彼の肉体は聖光気に包まれていた。
見知らぬ土地に戻った彼の本能は戦うことしか覚えていない。
(現時点500%)
(現時点750%)
その強さはとどまる事を知らなかった。彼は肉体の限界に挑むべく究極の体へと自らの体を昇華させる
(1000%)
大地に木霊する筋肉の超蠕動。地獄から生還し、更に数億年の時を経て培いそして手に入れた究極の肉体。
戦闘本能しか見出せなかった彼にもう何も求めるもの は無くなった。
あらゆるヒトの感情、苦しみ、悲しみ、呼吸、その全てを知り尽くしヒトには理解しえぬ疑問とその答えを悟る。
人々は悠然と佇み内なる聖光気 を放つ彼を神と崇め、寂れたこの世界に救いの光を求めた。
―――――――共存を願った彼は永遠に動くことを止める
(観音と化した戸愚呂)
人々は悠然と佇む彼に一日三回の礼拝を捧げる。
生きとし生きるもの全てに子孫を残すための本能が存在する。
悟りの境地に至った彼もまた、戦闘本能と共に生殖本能を内に秘めていた。
永遠に動くことを止め た戸愚呂は生殖の手段として胞子生殖を選んだ。
自らの聖光気を”生の種”まで昇華させ、その光の雨を大地に降り注いだ。
自らの聖光気により生み出された”生の種”は自らの分身と共に枯れた大地に木々を生やした。
年に数度訪れるその生殖活動の様子は美しく輝き降り注ぐ雨のようであり、絶景とされている。
偶像崇拝が許された。人々は巨大な神像を創り上げ、称え、平和を願う
神へと昇華した戸愚呂は様々な場所に姿を現し、廃墟と化した大地に恵みの光を齎す。
今日もまた絶望に満ち満ちている大地に救いの手を差し伸べる
まだ生えかけの小さな芽
平和は続いた
平穏な日々、人々との共存、魔界と人間界は繋がりを持ち、妖怪と人が共存するという世界が実現していた。
知能を持ついきもの、その全てが戸愚呂を一神教とし、敬い、紛争や戦争は起こらなかったのだ。
だが、自然とは突如にして牙を向く。
強さを誇る彼一人を残して自ら生んだ種と共に生命は朽ち果て、大地は穢れる。
ただ一人強い悲しみを背負い、祈り、自身の最大限の力をもって大地と生命を元の世界に
一途な思いとは裏腹にそれは自らの聖光気を使い果すまでの力を要していた。