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不幸な事故でリッラクマを喪った、コリッラクマとキイロイトリ。
    二人は悲しみを抱えたまま旅に出た。
    
    とある街で二人は驚愕する。死んだはずのリッラクマが歩いていたのだ… !
    大喜びで駆け寄る二人。
    リラックマの間合いに二人が入った時、彼はにこやかに言い放った。
    
    「俺はファックマ。…お前達もファックしてやろうか!?」
    
    コリラックマは凍り付いた。生まれて初めて接する悪意と敵意。
    ファックマの虚無の闇のような瞳が物語っていた。
    彼の言っている事が、冗談でもなんでもないことを。
    
    「ヤッテミロイ!w」
    キイロイトリは、そうとは気付かず駆け寄って行く。
    ファックマは急に機敏になり、もの凄い力でキイロイトリを締め上げた。
    そしてむごたらしい事をしようとしたその時…!
    
    「待てッ!!!」
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「待てッ!!」キイロイトリが毒牙にかかるまさにその時、何者かが現れた。
    コリラックマは驚愕した。自分とそっくりなクマ達がそこにいた。 
    
    そして、瞬く間にファックマをファックした。
    …(助かった…)コリラックマ達が礼を述べようとすると、クマはミゾオチに鋭い一撃を見舞った。
    
    「にせものは許さん!!」クマは厳しく言い放った。
    
     薄れて行く意識の中コリラックマは見た。
    そのクマの後ろにも、おびただしい数のクマ達がいるのを。
     そしてそれらは皆、自分達と同じ姿形をしているのだった…。
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    「……きて…起きて!!」
    
    コリラックマが目を覚ますと、目の前に醜怪なクマがいた。
    「よかった、死んだのかと思ったよ!」…彼はリラックマだった。
    よく見ると、コリラックマ自身も以前とは似ても似つかぬ醜い姿になっている…キイロイトリもだ。
    
    遠くの方にクマがおり、その周りを子供達が取り囲んでいる。
    そのクマは以前のリラックマそっくりだった。
    コリラックマ達は怒り、そちらの方へ駆け寄ろうとした。
    
    その刹那、猛烈な飢餓感が襲って来て、動く事が出来なくなった。
    痙攣し、這いずり回るコリラックマ達。
    見るに見かねたホームレスの老人が、ダンボールをしょうゆで煮染めた料理を振る舞ってくれた。
    身に染み渡る多幸感…。
    
    「今度こそ!」
    再び子供達のいる方へ駆け寄ろうとした瞬間、またしても飢餓感が襲って来た。
    それもさっきより強い…。
    
    「ごはん?!ごはん?!」
    
    変わり果てたコリラックマ達は、何度も何度も老人にダンボール煮をせがみ続けるのだった。