リラックマスペシャル その2

 

不幸な事故でリッラクマを喪った、コリッラクマとキイロイトリ。
二人は悲しみを抱えたまま旅に出た。

とある街で二人は驚愕する。死んだはずのリッラクマが歩いていたのだ… !
大喜びで駆け寄る二人。
リラックマの間合いに二人が入った時、彼はにこやかに言い放った。

「俺はファックマ。…お前達もファックしてやろうか!?」

コリラックマは凍り付いた。生まれて初めて接する悪意と敵意。
ファックマの虚無の闇のような瞳が物語っていた。
彼の言っている事が、冗談でもなんでもないことを。

「ヤッテミロイ!w」
キイロイトリは、そうとは気付かず駆け寄って行く。
ファックマは急に機敏になり、もの凄い力でキイロイトリを締め上げた。
そしてむごたらしい事をしようとしたその時…!

「待てッ!!!」

 

 


この世に未練を残して死んだクマの怨念が、絵に浮き出て来たのだ…とでも言うのだろうか。

 

 

「待てッ!!」キイロイトリが毒牙にかかるまさにその時、何者かが現れた。
コリラックマは驚愕した。自分とそっくりなクマ達がそこにいた。

そして、瞬く間にファックマをファックした。
…(助かった…)コリラックマ達が礼を述べようとすると、クマはミゾオチに鋭い一撃を見舞った。

「にせものは許さん!!」クマは厳しく言い放った。

 薄れて行く意識の中コリラックマは見た。
そのクマの後ろにも、おびただしい数のクマ達がいるのを。
 そしてそれらは皆、自分達と同じ姿形をしているのだった…。

 

 


薄れて行く意識の中、コリラックマは昔の事を思い出していた。
……幸福(しあわせ)だった。隠し事など何一つない、本当の親友(とも)だった。

…そう信じていた。
……あの日から、全てが音を立てて崩れ始めたんだ…。

 

 


「……きて…起きて!!」

コリラックマが目を覚ますと、目の前に醜怪なクマがいた。
「よかった、死んだのかと思ったよ!」…彼はリラックマだった。
よく見ると、コリラックマ自身も以前とは似ても似つかぬ醜い姿になっている…キイロイトリもだ。

遠くの方にクマがおり、その周りを子供達が取り囲んでいる。
そのクマは以前のリラックマそっくりだった。
コリラックマ達は怒り、そちらの方へ駆け寄ろうとした。

その刹那、猛烈な飢餓感が襲って来て、動く事が出来なくなった。
痙攣し、這いずり回るコリラックマ達。
見るに見かねたホームレスの老人が、ダンボールをしょうゆで煮染めた料理を振る舞ってくれた。
身に染み渡る多幸感…。

「今度こそ!」
再び子供達のいる方へ駆け寄ろうとした瞬間、またしても飢餓感が襲って来た。
それもさっきより強い…。

「ごはん?!ごはん?!」

変わり果てたコリラックマ達は、何度も何度も老人にダンボール煮をせがみ続けるのだった。

−BAD END−

 

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by サッカンさん(ロックンクン)

 

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